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米MBAプログラム、コロナ禍で秋学期どうなる?

 

新型コロナウィルスのパンデミックの影響を受けているのはビジネスだけではない。大学もである。

米国のビジネススクールは他の高等教育機関と同様、経営学修士(MBA)課程の学生をキャンパスに戻すべきかどうか、またどのように戻すべきかを検討し、長期的にどんな影響が生じうるかを見極めようとしている。

 米屈指のMBAプログラムを提供するスタンフォード大経営大学院は、9月に学内での授業を再開予定だが、カリキュラムの一部にオンラインを組み合わせることになる。同校のジョナサン・レビン学部長に最近、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が今後の動向のMBAプログラムのありかたについてインタビューをした際の記事を以下に抜粋する。

WSJ:今回の感染症流行はビジネススクールに長期的な変化をもたらすか?

レビン学部長:この困難を切り抜けた時、どのスクールの教授陣もバーチャル教育やオンライン指導の相当な経験を積んでいるだろう。当校でも急速に取り組みを進めてきたが、これではるかにチャンスが広がるはずだ。人々の受け入れ姿勢も強まるだろう。予測が難しいのはMBAに対する世界的な志向性がどうなるかだ。スタンフォードを含め、多くのビジネススクールは過去20年間、世界中から学生を集めるために信じがたいほどの努力をしてきた。今回の経験は恐らく国際化の流れに変化を起こすが、どのように変わるかは予想しにくい。内向き志向が加速するかもしれない。

WSJ:新年度から留学生が減る可能性(長期化する恐れもある)にどう適応するか?

レビン学部長:当校には60カ国以上の学生が在籍する。これほど多くのさまざまな経歴や生活体験を持つ人々がいれば、全ての学生に豊かな教育経験を提供できる。ビジネスは本来グローバルな部分が大きいからだ。新年度はそれが難しくなりそうだ。

 授業開始に合わせてキャンパスに来られない学生には、可能になったら来校する選択肢を提供したい。何らかの方法で授業に参加することは必要だ。遠隔学習のような形になるだろう。具体的な方法は今後検討しなければならない。

WSJ:学生集団のグローバル化の後退は、学生の経験にどう影響するか?

レビン学部長:留学生がいないことはある程度マイナスになる。それは実際、当校のようなMBAプログラムに留学生を迎えることの一般的価値という大きな問題に行き着く。メリットの1つは世界中の有能な学生が米国に集まり、その多くがとどまって経済に多大な貢献をすること。さらに真に有益なのは米国人学生が多くを学べる点だ。だからこそなるべくオープンに、安全性の許す範囲で今すぐ世界中の学生を迎えることは非常に重要だ。

WSJ:秋学期のMBAの授業はどのようになるのか?

レビン学部長:誰もがその答えを知りたいし、私もそうだ。われわれは学生がキャンパス内に住む態勢を整えたいと考えている。大学院生用の住居はバストイレ付きの1人部屋とし、あらゆる不測事態に対処する部署を置き、全員が安全でいられるよう配慮する。

 当校にはパンデミックに関していくつか利点がある。季候がよいので年中野外に出て人々と交流できる。キャンパス内の人口密度は中程度からごく低いレベルだ。全般的に健康な人が多く、新型コロナ感染症(COVID-19)の発生も比較的少ない。

WSJ:カリキュラムに変更はあったか?

レビン学部長:今学期はカリキュラム全体を基本的にバーチャルに移行した。中止になった授業はごくわずかだ。この時期に合った新クラスも導入した。ビジネスリーダーや公的部門のリーダーがCOVID-19にどう対応しているかに着目し、ビジネスが社会に果たす役割を考えるクラスなどだ。秋学期も引き続き授業に革新性を採り入れていく。

WSJ:入学を先延ばしすべきか迷っている学生にどう言葉をかけるか?

レビン学部長:個人的にそう判断せざるを得ないのはわかる。だが同時に一般論として大幅な景気悪化、特に今の情勢では、あなたにできる他の物事もやはり制約や影響を受けるはずだ。だからある面では、新たなスキルを身につけるために自己投資する絶好のタイミングだとも言える。

もう一点、いま学校に来れば、この異例の時期を素晴らしい人々がいる環境で過ごすチャンスを手にする。あなたと同様の高い志を持つ学生、時には別の野心をもつ学生、現状をどう考えるべきかについて助言できる教授陣がそこにはいる。ある意味、勉強するのに特に刺激的な時間となるだろう。

WSJ:パンデミックの影響でビジネススクールの再編はあるか?

レビン学部長:高等教育機関は財務面で大きな課題に直面している。今までの景気後退期よりもずっと深刻だ。多くの学校で入学者が減少するだろう。

 ビジネススクールではないが、すでに単科大学などで閉鎖を決めた学校が一部にある。今後1年間こうした事例が増えるのは避けがたい。教育は新型コロナの打撃が特に大きい分野となるだろう。それは州立の学校にも言えることだ。州の予算は恐ろしく影響を受けるだろうから。

 スタンフォード大学にも大きな壁が立ちふさがる。だがわれわれには困難を乗り越えるための真に強力な土台がある。

以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。
https://www.wsj.com/articles/what-will-business-school-look-like-in-the-fall-11591881710?mod=searchresults&page=1&pos=1

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