チェース銀行からスカウトされた36歳スタバ店員の話
NY、パークアベニューにあるJPモルガン・チェース本社の入り口を入り、セキュリティゲートを通過してエスカレーターを上がったロビーには社員専用のスターバックスがあります。36歳のIvetto Agostoはこのスターバックスで8年間、バリスタとして働いていました。彼女は夜明け前に出勤して店を開け、バンカーの出勤ラッシュが始まる2時間前からコーヒーの準備をします。Ivettoの頭の中には、出勤してくる何百人ものバンカーたちの顔、ファーストネーム、そしてコーヒーの嗜好や朝食用のパンやマフィンの好みが全てインプットされていました。
どの客がコーヒーをブラックで飲むか、またはミルク入りで飲むか。レギュラーか、カフェインレスか。時にはメニューにないドリンクを注文する客もいるので、その客の好みの調合の割合も頭に入っています。彼女は常連客が店頭に並ぶと注文を聞く前にドリンクの準備をし始め、その客がカウンターに辿り着くとさっと商品を差し出して、毎朝笑顔で「Have a nice day!」と語りかけていました。
彼女の朝のサービスは社内で評判となりました。彼女の常連客の中に、毎朝7時20分にスターバックスでエスプレッソ・コーヒーを買うのが日課となっている個人金融部門・チェース銀行の最高責任者、Barry Sommersもいました。Sommers氏は彼女の接客能力、顧客とのコネクションの強さ、顧客のニーズ把握能力に感銘を受けます。
昨年11月から、Ivettoの職場はJPモルガン・チェース本社から50ヤード程のところにあるチェース銀行の支店テラーとして働くようになりました。
「チェース銀行の支店テラーのリクルートは、同業他社だけではなく、接客業からも積極的に行っています。銀行のテラーに求められているのは、顧客をいかにケアするかという能力です。商品知識やプレゼンテーション能力は、後から教育できるのです。」とチェース銀行の採用担当者は語ります。
Sommers氏からチェース銀行のテラーへの転職の可能性を持ちかけられた時、Ivettoは本当に嬉しかったと言っています。彼女はニューヨーク生まれ、ドミニカ共和国育ち。大人になってからニューヨークに戻り、いくつかのスターバックス店舗で働いていました。現在は毎日チェース銀行に出勤し、マンハッタンで14歳の娘を育てています。
この記事はWSJに掲載されたものを要約引用しました。
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