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M&Aが20年ぶり低水準、買収額高騰や米政策待ちで

 

企業の合併・買収(M&A)件数が世界的に伸び悩んでいる。株式・債券相場の上昇がM&Aの活性化を後押しするというかつての構図が崩れている。

2017年は今のところ、M&A件数が約20年ぶりの低水準に落ち込んでいる。バリュエーションの上昇や政治・経済の不透明さを受け、買収に慎重になる企業が増えているためだ。

ディールロジックによると、17年1月〜4月(28日時点)は世界の公開企業のM&A案件が793件にとどまった。前年同期の991件から20%減で、1998年以来の少なさとなった。

一方、企業が買収や出資に必要な金額が割高になっている。今年これまでの平均買収額はEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の12.8倍。前年同期の12.1倍を上回り、1997年以来の高さとなっている。半面、世界のM&Aの規模は年初来で13.9%増の4798億ドルに上る。ディールロジックのデータは、スピンオフ(事業分離)は含まないが、株式の一部取得は含む。

米国で法人税や通商政策の見直しが行われる可能性や、英国の欧州連合(EU)離脱計画を巡る懸念を背景に、企業経営者はM&Aを「凍結」している。

ジョーンズ・デイ法律事務所のグローバルM&A責任者、ロバート・プロフュセック氏は、経営者がいま求めているのは税制改革や通商政策、産業規制といった問題の不透明感が払拭(ふっしょく)されることだと話す。経営者は「無駄撃ちはしない」という姿勢を取っているという。

こうした不確実性のために、企業は優先度の高い、つまり高額での買収も辞さない案件のみに注力するようになった。

米医療技術関連製品大手ベクトン・ディッキンソンは先月、同業のC・R・バードを240億ドル(約2兆6400億円)で買収する方針を明らかにした。ディールロジックによると、買収額は2016年のEBITDAの20倍超、売上高の6.4倍の水準だ。調査会社 モーニングスター は分析リポートで、この買収額はC・R・バード単体の評価額に60%のプレミアムを上乗せした水準だと指摘した。医療製品会社の買収額は売上高の4〜4.5倍というのが相場だという。

かつては、株価が上昇すると同時にM&Aも活発になることがよくあった。1999年と2007年がその代表例だ。ところが、現在はS&P500種指数が大きく上値を伸ばす中でも、M&A件数は減少している。

ジョーンズ・デイのプロフュセック氏は、トランプ政権の看板政策の行方次第でM&A件数が早期に持ち直す可能性はあるとし、「税制法案が可決すればM&Aは一気に増えるだろう」と述べた。

以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。

https://www.wsj.com/articles/global-deal-making-falls-to-slowest-pace-in-20-years-1493666373

Corporate deal making has hit a dry spell, despite robust stock and bond markets that should call for a deluge. Mergers and acquisitions this year have plunged to their lowest level globally in nearly 20 years.

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