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「つぶしの利く職場」希望! 19年卒学生、戦略したたか

 

19年度に社会人となる大学生は、何を優先事項として就職先を選んでいるのだろうか。学生の就職に対する意識は、時代と共に明らかに変化し、「大卒後の就職先に骨を埋める」意識はほぼ消滅したと言える。目まぐるしく変化する経済環境、大学生の年代が見た、ここ20年での様々な企業の栄枯盛衰を冷静に捉え、どのような経済環境でも「生き残る」ための能力を身につけることのできる組織を選ぶ学生が増えた。

どの会社でも役立つスキルがつく会社を優先する学生が7割超――。就職情報大手のリクルートキャリアが8月15日に発表した来年入社予定の学生向け調査でこんな意識が明らかになった。汎用的な能力が身につく組織を選ぶ大学生は3年連続で増加した。売り手市場を背景に、最初の入社先にしがみつかず、転職もにらみながら就活する学生のしたたかさが示された。

 調査の内容は、働きたい組織の特徴について、29項目の対立項目をあげ、学生に選んでもらったもの。5月18日~6月14日の間に大学生4943人、大学院生1431人から回答があった。

どんな能力が身につく組織(会社あるいは職場)がいいか聞いたところ「どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく」組織を選んだのは合計で72.3%にのぼった。「その会社に属してこそ役立つ、企業独自の特殊な能力が身につく」組織を選ぶ学生は27.7%で、その差は3年連続で広がった。規模が大きい企業や金融業を志望する学生では傾向がより顕著だった。

来年入社予定の学生の就職活動は全体的には売り手市場だった一方、5000人以上の大手企業に限れば求人倍率が下がり、買い手(企業側)有利の傾向が強まった。リクルートキャリア就職みらい研究所の水野理哉研究員は「経済が停滞した時代に生まれ育った世代なので、安定した大手志向は引き続き強い。一方で大組織で埋もれたくないという意識も高まり、どのようなスキルが身につくか冷静に判断している」と指摘する。

成長とストレスのどちらを優先するかとの質問では「短期で成長できるが、体力的・精神的なストレスもかかる」組織を選んだ大学生は32.1%にとどまった。前年よりは微増したが2年前と比べて1割以上減っている。

働き方でも「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」組織が83.9%で前年から8割を超えるなど、まずは私生活やストレスのない環境を優先して、仕事に取り組みたいという意識が強い。「ブラック企業」が話題になった世代で、就労環境や待遇の情報に敏感なようだ。

 ただ給与については「入社直後の給与は低いが、長く働き続けることで後々高い給与をもらえる」組織を選ぶ人は前年より微減し、「給与は高いが、個人間で待遇に大きく差がついたり降格になったりする可能性は大きい」組織が増えた。水野氏は「企業が理系大学院生などを求める傾向が引き続き高く、スキルに応じて初任給に差を付ける動きも出ているが、学生はおおむね好意的に受け止めている」と分析する。

 

以上、日本経済新聞より要約・引用しました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34200510V10C18A8TJ2000/

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