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IT業界の伏兵、半導体は今や3500億ドル産業

 

半導体は自動運転車の「頭脳」となり、サーバーのデータ高速処理を助け、スマートフォンが文書作成や動画ストリーミングをさばく速度を決める。そうした活躍で、これまで目立たなかった半導体事業がシリコンバレーの最前線に踊り出ている。

「IoT(Internet of Things, モノのインターネット)」やビッグデータの拡散を受け、 サムスン電子 、インテル、クアルコム、東芝といった半導体メーカーは新たな影響力を得つつある。かつてない半導体ブームのなか、急増する需要が価格を押し上げると共に、この必要不可欠な部品を大量に確保できる企業を有利にしている。

DRAMeXchangeによると、メモリー半導体主要2種の価格は2016年7月~17年3月に上昇した。NAND型フラッシュメモリーは27%、DRAMは80%の上昇だった。

恩恵を受けたのが両市場で優位にあるサムスン電子だ。半導体が営業利益全体に占める割合は16年10-12月期(第4四半期)には約54%と、3年前の24%から上昇している。同社株はこの半年で約30%上昇し、ここ数週は高値更新が続いている。 SKハイニックス など他のメモリー半導体メーカーが最近発表した決算では増益が目立ち、 アプライド・マテリアルズ やラム・リサーチなど半導体製造装置大手の株価は急騰している。

半導体はほぼ全ての電子機器や家電製品に使われている。ガートナーによると、テレビから赤ちゃんモニター機器やサーモスタットに至るまで、IoTでつながった「モノ」は2014年時点で38億個あった。今年は84億個に、20年までには204億個に増加する見通しだ。アナリストらは、半導体の売上高が今後10年で、少なくとも2倍は増えるとみている。

IHSマークイット によれば、半導体業界の年間売上高は03年からほぼ倍増し、3520億ドルに達している。この金額は、米自動車製造業界の2倍以上であり、米消費者が1年間にファストフードに支出する額より多い。業界再編が10年続いたうえ、新型半導体の開発には多額のコストがかかるため、新規参入は難しく、一握りの既存企業が利益を吸い上げる状況となっている。

半導体業界は「ロジック半導体」「NAND」と「DRAM」の3部門で市場の半分以上を占めている。機器の「頭脳」役や計算能力を担うロジック半導体の価格は、コンピューター1台で約75ドル、アマゾン・ドット・コムや フェイスブック が使うデータサーバー部品としては1つで4000ドル以上だ。残る2部門はメモリー半導体で、そのうちのNANDは、電話やノートパソコン、タブレットに保存されるデータやコンテンツ(音楽や写真など)の量を決める。32ギガバイト(GB)で25ドルほどだ。DRAMはマルチタスクのスピードを左右する。標準的な製品の価格は24ドル程度。

 

半導体の戦場で大きな位置を占めているのがサムスンだ。世界2位のスマートフォンメーカーかつメモリー半導体市場で最大のメーカーであり、ロジック半導体市場でも存在感を増しつつある。

以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。

https://www.wsj.com/articles/chips-ahoy-techs-sleeping-giant-becomes-a-352-billion-cash-cow-1493217440

The proliferation of connected devices and big data is handing new clout to chip makers. The result is an unprecedented semiconductor boom, as a flood of demand pushes up prices and gives an advantage to firms that can secure huge quantities of the must-have components.

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