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ハイテク人材の争奪戦、舞台はアフリカへ

 

safari-1029078_960_720米国ではソフトウェア開発者が不足しており、一部のハイテク企業はアフリカに人材を求めている。アフリカは今や、若くハイテクに精通する労働力を多く抱える場所だ。

米IBMは、強化を急ぐデータアナリティクス事業の構築を目指し、ナイジェリアのラゴスで若いソフトウェア開発者たちを雇用している。IBMは、人々の教育が進み、モバイル技術が普及しているアフリカ大陸はハイテク人材の優れた輩出地になっていると述べた。

イノベーションのハブとして、アフリカに注目している企業はIBMだけではない。今年8月、英系バークレイズ傘下の金融機関、バークレイズ・アフリカ・グループは南アフリカの子会社を通じて、Facebookの「メッセンジャー」向けチャットバンキングを立ち上げた。これは現地の顧客がFacebookのチャット機能を通じた銀行取引を可能にするソフトウェアだ。

米クレジットカード大手のマスターカードは、ケニアのナイロビでハイテク技術研究施設を運営しており、農業従事者向けのマイクロローン(小口融資)やデジタル決済のための技術を育もうとしている。

さらに、ドイツに本拠を置く欧州最大のソフトウェア会社、SAPは「アフリカ・コード・ウィーク」と称するハッカソン(プログラムの開発などを共同で集中的に行うイベント)の開催を後援した。またコンサルティング会社のアクセンチュアは、タンザニア、ザンビア、そしてルワンダでハイテク人材を育成している。

social-media-488886_640Facebook CEOのザッカーバーグ氏は、アフリカはハイテク技術人材の宝庫だと称賛。同氏は、「我々は才能が公平に配分されている世界に住んでいるが、機会は公平でない」と述べ、夫妻が昨年末に創設した慈善団体「チャン・ザッカーバーグ」はアンデラという人材派遣会社に資金提供を行った。アンデラはアフリカの向上心旺盛な若者に適性試験を実施し、ハイテク技術と問題解決能力を評価し、面接を経て合格した者に、プログラミング言語やソフトウェア構築を教え、世界のハイテク企業に人材を送り出している。2014年にアンデラが創立されて以降、4万5千人のアフリカの応募者の内、200人がグローバルなIT企業で職を得た。まだまだ門戸は狭いが、コンピューター科学、電機エンジニアリングの学位を取得しても就職先が少ないアフリカの人材を世界に送り出す重要な役割をアンデラは担っている。

プログラミング、ソフトウェア構築の世界の国境は低い。また、アフリカ現地で世界大手企業の従業員として働き続けることも可能な性質の職務だ。かつてインドにハイテク人材を求めたIT企業は、留まるところを知らない技術発展の勢いに押され、更なる人材発掘にアフリカを目指している。

以上、Wall Street Journalより要約・引用しました。

http://blogs.wsj.com/cio/2016/09/30/tech-talent-war-moves-to-africa/

 

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